中絶と取り組む 3

ルーマニアの経験は、規制的な法律や宗教の教義に関わりなく、また、経済的に乏しくとも、設備が不十分でも、社会的な障害があろうとも・・・


いたるところで女性は望まない妊娠を中絶し続けることを明らかにしています。


法による規制の影響をもっとも受けるのは、中絶の件数ではなく、妊産婦の死亡数です。


中絶を有罪にすれば、中絶手術を素人の、時には悪徳中絶業者の手に委ねてしまうことになります。


その結果、あらゆる手術の中でも安全な部類に属する中絶手術を非常に危険な手術にしてしまいます。


中絶が規制されている社会で望まない妊娠の中絶を求める女性にとって、人生とは、妊産婦死亡率の高さ、いつまでも尾を引く身体的な損傷率の高まり・・・


そして法外な中絶料、発覚の恐れ、追放、そして病気で生活費が稼げなくなることです。


非合法処置が多いところでは、乏しい医療財源のかなりの部分が、合併症の治療に回されています。


そのうえ、中絶は、合法であろうと非合法であろうと、高い出生率を低下させるうえで決定的な役割を果たしているのであって、中絶を制限する政策は人口増加の抑制を現実に妨げてしまいます。


中絶が非合法である場合に社会や人間の健康が支払う代償、出生率の変化における中絶の役割、人間の公平と平等をめざす幅広い闘いと中絶の関わり・・・


これらを見れば、中絶の論議をただちに犯罪の分野から常識の分野に引き出すことが必要なことは明白です。

中絶と取り組む 2

どのくらいの数の中絶が行われ、そのうち合法中絶はどのくらいの数か・・・。


中絶率が上昇しているのはどの国か、低下しているのはどの国か。


この処置を行っているのは誰か、それはなぜか。


社会の変化の中で中絶が果たしている役割は何か。


中絶の非合法化で社会が支払う代償は何か。


・・・女性に望まない妊娠の継続を強いることなく、中絶の数を減少させるにはどうすればいいか。


・・・反論の余地のない事実が、いまだに検討されないままです。


つまり、法律がどうあろうと、中絶はあらゆる国で行われているということです。


歴史が示しているように、女性は、たとえ危険で非合法な処置に頼ることになろうと、産む子どもの数を制限する決断をしてきました。


世界中で毎年約5000万件の中絶が行われていますが、その半数近くは非合法です。

中絶と取り組む

現在、中絶は、胎児の地位についての宗教や道徳上の信念と、妊娠や母性に対する女性の選択の権利の対立から、社会的に激しい論議の焦点になっています。


公的政策の観点から見て、意図しない妊娠と中絶の数を減少させることが、望ましい目標であることに異論を唱える人はまずいないでしょう。


多くの証拠からも、中絶を非合法化するよりも、むしろ中絶を公衆衛生と家族計画の包括的な戦略の1環として扱うほうが、その目標に到達する近道であることがわかります。


・・・ところが中絶の政治学は、イデオロギーとさまざまな中絶処置の有罪性をめぐる論議に決着がつかないまま暗礁に乗り上げ、法律をめぐる勢力争いとなってしまいました。


この社会的な現象の複雑さはまだ語られてもいません。


このような行き詰まりは、生殖の自由をめぐる闘いに費やされるエネルギーが、世界中の女性と子どもの保健や福祉の向上に振り向けられる日の到来を遅らせています。


中絶をめぐって冷静な論議が行われる日は遠いようです。


現在の論争は、人口統計学や公衆衛生の中で中絶がどんな意味を持っているのか。


・・・あるいは中絶率を左右する社会的な力とは何か、といった問題に対する理解の乏しさを反映しています。


重要な事柄が、いまだ問われないままなのです。

環境を守るために 6

1989年の革命は、輝かしい未来への希望を与えてくれました。


しかし、これらの国々が環境の回復に向けてすみやかに行動を開始してこそ、その希望は現実のものとなり得るのです。


1989年12月にルーマニアの独裁者チャウセスクが死刑に処せられ、そのあとを継いだ暫定政権が最初にとった行動の1つが、中絶禁止法の廃止でした。


国の出生率を上げようという試みの1つとしてチャウセスクが布告し、実効をみないまま14年も続いたこの勅令。


これは、避妊を非合法化し、中絶を場合によっては死刑とする刑事罰の対象としました。


この厳しい法律にもかかわらず、80年代のこの国の中絶率と中絶による妊産婦死亡率は、ヨーロッパ諸国の中でも群を抜いて高かったのです。


中絶の合法化でルーマニアも、1970年代後半から同じような変化を見せてきた他の35か国の仲間入りをしました。


事実、家族計画(避妊と中絶)へのアクセスを支配する法律が自由化されていく30年のあいだに、多くの国々で、意図しない妊娠と非合法中絶による死亡の件数がかなり減少しています。


また、公衆衛生が大きく改善され、世界的に出生率が低下しました。

環境を守るために 5

西側諸国は、東ヨーロッパ諸国がかかえている負債の重荷を創造的な方法で削減することを考えるべきです。


ポーランドは420億ドルもの負債を背負っていますが、これは同国の年間GNPの64パーセントにもあたります。


ハンガリーの負債は180億ドルで、GNPの65パーセントにあたります。


チェコとブルガリアも多額の負債をかかえていますが、正式な数字は手に入りません。


債務と自然保護のスワップという方法も、がんじがらめの状態から抜け出す一つの道です。


これまでのところ、ポーランドとのあいだで2つのスワップ交渉が進んでいるのです。


一つは、ドイツ政府が6000万ドルを環境浄化基金として提供しようというもの。


もう一つは、世界自然保護基金(WWF)が、ビストラ川の浄化に向け5万ドルの資金を集めるというものです。


東ヨーロッパとソ連(当時)で起こった政治改革は、絶好の機会とも、思わぬ落し穴ともなりうるのです。


これらの国々は、西側がおかした間違いを繰り返さずにすますことのできるユニークな立場にありますが、同時に、同じ間違いを繰り返させようとする大きな力が働いていることも確かです。


そうならないように国際的な努力が必要とされます。

環境を守るために 4

ECは、東ヨーロッパへ投資を行う際の環境基準を設定しようとしています。


オクシデンタル石油は、これから海外に建設する施設はすべて、合衆国か現地の環境基準のどちらか厳しいほうに合わせると宣言し、前向きな姿勢を見せています。


東ヨーロッパやロシア西部にある共和国の環境問題は、国境を越える性格のものです。


そのため、国際的な取り決めがぜひとも必要となるのです。


ECEのもとで、2つの大気汚染削減の議定書が調印されました。


現在3つ目の議定書が準備されています。


この他にも欧州安全保障協力会議の加盟国がECEに対し、水質汚染に関する国際条約のための準備を始めるよう要請しました。


こうした条約を作成するにあたっては、西側から東側への技術移転を考慮に入れなければなりません。


東ヨーロッパのいくつかの国々は、必要な技術を持っておらず、技術移転なしには決められた大気汚染削減目標値を実現できるとは思われません。

環境を守るために 3


環境のために割り当てられた資金は、経済援助全体から比べると微々たるものです。


だからこそ、援助や貿易に関する討議においては、環境問題を不可欠な要素として必ず考慮に入れることが大切です。


個別の環境問題に対して資金を出しながら、同時に環境を破壊する工業や交通機関エネルギーなどのプロジェクトにより多くの資金援助をするとしたら、それは1歩前進して数歩後退するようなものです。


西側諸国は「エコロジーの植民地主義」・・・


つまり環境を破壊するような資源利用の仕方や工場などを、規制も甘く、国際通貨に飢えているような国々に輸出することを、許してはなりません。


すでに、シベリアのチュメニ地域には日本、アメリカ合衆国、ドイツ、イタリアの企業が共同で巨大な石油化学工業地帯を建設中であり、ロシアの環境保護論者の怒りをかっています。


西側の企業は最低限のこととして、現地に建設する工場が西側の環境基準を満たすことを保証すべきです。


環境を守るために 2

ドイツは東側に新たに加わった国土の環境浄化を行うだけでなく、ポーランドに対しても1億2000万ドルの援助計画を実施しています。


ポーランドはドイツからの他にも、スウェーデンから6000万ドル、デンマークから7000万ドル、フィンランドから3500万ドルの援助を受けることになってアメリカ合衆国はソ連に対して経済的な援助を行うことを渋っています。


西ヨーロッパ諸国も最近まではそうでした。


そのためロシアには、環境浄化のための西側政府からの援助はほとんど届いていません。


しかし、ロシアと西側諸国は何十年にもわたって非金銭ベースで協力しあってきています。


現在では、金銭的なやりとりを含む次のようなプロジェクトも実現しつつあるのです。


つまり、ECとソ連は、共同で原子力の安全対策に取り組んでいるのです。


また、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンの3国は、酸性大気汚染物質をスカンジナビアに向けて排出しているロシアの2つのニッケル精錬所に、汚染防止装置を設置させるための援助を計画中です。


いままでに提供された援助は確かに役に立つでしょう。

環境を守るために

1991年3月に銀行が融資を開始するとき、環境保護がうたわれるかどうか注目に値します。


欧州共同体(EC)はいままでのところ、旧東ドイツやハンガリー、ポーランド、ブルガリア、チェコスロバキアなどの環境プロジェクトに対し、1億3100万ドルの融資を決めています。


これらの国々は、新しくできたヨーロッパ環境庁の中に組み入れられることになっています。


この環境庁の第、の機能は、ヨーロッパ大陸全体の環境データを集めることです。


また、各国の努力により、1990年9月、ブダペストに地域センターが開かれました。


これはアメリカ合衆国が提案したもので、ECや、オーストリア、カナダ、フィンランド、ハンガリi、オランダ、ノルウェーなどもアメリカとともに資金を提供しました。


事務局長のピーター氏によると、このセンターは環境保護グループと各国政府とのあいだの調整作業を行うことになります。


2国間援助プログラムもたくさん行われています。


アメリカ合衆国はハンガリーとポーランドに、環境援助としてそれぞれ4000万ドルを提供していますし、まもなくブルガリアやチェコスロバキア、ルーマニアに対しても資金提供を行う予定です。

明治初期の英語教師

中村正直は明治6年に東京小石川に同人社を開き、英学を教えました。


やがて明治8年、彼の努力によってお茶の水に女子師範が開校し、彼はその校長となりました。


彼が毎週1回やった講話はスマイルスの自助論を材料としたものでした。


彼の「文章軌範」の講義は、字句の末にとらわれず、精神をつかんだ生き生きとした講義ぶりで、その面白さは教え子たちにとって終生忘れえぬものであったといいます。


明治初期の英語教師は、みな漢学の素養がありましたから、中村正直のような漢学者タイプが多かったであろうと思われます。


当時の訳読も返り点送り仮名の漢文式で、「ところのそれは」というふうに訳したものでした。


発音は変則が多く、おかしな発音もあったかもしれませんが、文章の解釈や作文力はすぐれたものであったでしょう。


英語教師夏目金之助も、漢学の土台なくしては考えられません。


福沢諭吉は若くして大坂の緒方塾でオランダ語を学びました。


彼は江戸に蘭学塾を開きますが、時勢の推移をいちはやく見て、英学に転向しました。


彼の教授法は蘭学塾の伝統を継ぐものでした。


それは会読法というもので、生徒が正しく解釈すれば白点、まちがえば黒点がつけられます。


それはいま流行っている石川遼 英語での勉強法とはまた違ったものでした。


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