中絶と取り組む
現在、中絶は、胎児の地位についての宗教や道徳上の信念と、妊娠や母性に対する女性の選択の権利の対立から、社会的に激しい論議の焦点になっています。
公的政策の観点から見て、意図しない妊娠と中絶の数を減少させることが、望ましい目標であることに異論を唱える人はまずいないでしょう。
多くの証拠からも、中絶を非合法化するよりも、むしろ中絶を公衆衛生と家族計画の包括的な戦略の1環として扱うほうが、その目標に到達する近道であることがわかります。
・・・ところが中絶の政治学は、イデオロギーとさまざまな中絶処置の有罪性をめぐる論議に決着がつかないまま暗礁に乗り上げ、法律をめぐる勢力争いとなってしまいました。
この社会的な現象の複雑さはまだ語られてもいません。
このような行き詰まりは、生殖の自由をめぐる闘いに費やされるエネルギーが、世界中の女性と子どもの保健や福祉の向上に振り向けられる日の到来を遅らせています。
中絶をめぐって冷静な論議が行われる日は遠いようです。
現在の論争は、人口統計学や公衆衛生の中で中絶がどんな意味を持っているのか。
・・・あるいは中絶率を左右する社会的な力とは何か、といった問題に対する理解の乏しさを反映しています。
重要な事柄が、いまだ問われないままなのです。